『鏡のお城のミミ』用語/私的補足・ナタリーのこと
2004.12.12作成
- 先に言っておきますが、私はナタリーがもの凄く好きなので、かなりひいき目の書き方になろうかと思います。
その辺は、まあ私的な補足文なのでご了承下さいませ。
- さて、現在カルネー公爵の養女であるナタリーは、元スダン領主であったデミ女男爵の娘です。
デミはカルネー公爵の愛人であったそうですが、公爵はソランジュ様と結婚後は妻一筋ですので、ナタリーはカルネー公爵の血の繋がった娘ではなく、あくまで養女です。
はっきりとは書かれていないと思いますが、デミ女男爵の愛人であった商人ボルベックが実父である可能性が高いです(目の色、ボルベックとラードルフとの会話、もしくはボルベックのナタリーへの命乞い等、全て状況証拠ですが)。
このような両親からどうしてこんなに控えめで賢い娘が生まれたのかはさっぱりわかりませんが、ナタリーは、母の方はよくわかりませんが父親の方は嫌っていたようですね。
だいたいどうしてデミがボルベックと結婚はしない状態でわざわざ娘など産んだのかよくわからないというところもありますが、今ひとつ親子の愛情を感じない家族です。
詳しい経緯はわかりませんが、愚かな両親に嫌気がさしていたというところですかね。
- そんなわけで、かどうか知りませんが、5年前(4巻時点の)のスダンでの反乱時に、城内に兵士を手引きして、その働きにより現在の立場を手に入れたナタリー。
当時12歳です、えーとフィディルと同じくらいと考えると、まあ能力が秀でていることと年齢とは関係ないかなと思えますが。
エリックは何か誤解してたようですけど、公爵がナタリーを手元に置くのは別に元愛人の子だとかそういうことではなく、ナタリーの計算高いところを知った上で有能さを買っているということなのではないかと思います。
- その、エリックとの初対面の頃は、とにかく控えめで内気そうな子でした。
しかし7巻でのナタリーはやっぱり控えめではありますが、堂々としてて聡明な印象です。
…多分4巻の時が猫かぶりさんなんですが、エリック、その違いに全く気づいてません(笑)。
そもそも、最初のあのおとなしさ気弱さは、どの程度まで演技だったんでしょうね。
4巻で公爵が、娘達にエリックを手に入れることをけしかけた時、真っ先に行動を起こしエリックに接触したのはナタリーです。
しかし、下心があったにしては、アクションが控えめすぎるというか、確かに好印象を与える行動ではあるんだけれど、「…す」のくだりなどは、エリックが呼び止めなかったら通用しないんだし…。
実はあの時、村の馬を返したのもナタリーだったんじゃないかとかちょっと疑ってみたりもしたんですが(公爵でも指示しただろうとは思うんですが、まずそれを見届けてからやってきたりとか)。
公爵の令嬢らに囲まれて困ってるエリックを助けたのもナタリーで、これも好印象を与えるためと見えなくはないですが、ナタリーはエリックを隠しただけで自分からその後のフォローまではしてないし、エリックがあんな気さくな王子様でなかったらそれきりになってたかも。
ドレスが裂かれてて、エリックに自分が養女であることを告白したシーンでは、エリックは妙に感情移入して真剣に励ましていましたが、ドレスを自分で裂いたとまでは思いませんけれど義理の姉たちの行動に本気で傷ついていたとは思えないし、さらにはエリックが来る前に目の下に唾つけて泣き真似…という舞台裏を読んでると、あの時のナタリーの言葉が、どれほど本気の気持ちを言っていたのか、さっぱりなんですが。
それでもエリックが真面目に語った言葉は、多分ナタリーにも感銘を与えたとは思うんですけどね。
恐らく、父親のいない娘として生まれたことや公爵の本当の娘でないことではなく…あの汚らわしく愚かしい男が実の父親であることが、ナタリーにとっての恥であり屈辱であったのだろうと思うので。
- で、ちょっと話逸れますが、本当は、ソランジュ様人質事件は、ナタリーはポールに解決させるつもりだったんじゃないかと思うんですがどうなんでしょう?
でもポールは王城に行かされてたんで、エリックを巻き込もうとした、と。
考えすぎですかね?エリックを巻き込もうとかではなくたまたまミミがいてエリックが関わってきたから連れて行っただけでしょうか。
でも、この計画、エリックやミミのことを想定して立てたものではなく、ソランジュ様がスダン城へ赴いているというところから発生していると考えられるため、ナタリーが取るべき行動(=自らスダン城へ人を入れ誠意を示すこと)はエリックがいてもいなくても同じであっただろうから、ナタリーとしては、エリックが実際に担った役割を演じるべき人も計画にあったんじゃないかと思います。
それが元々はポールだったんじゃないかなと。
単に、兵士のうちの一人でも良かったのかもしれませんが。
でもミミのことがなくても、ナタリーがそういう決意をして自分が行かなければ、と言ったら、仲良くなっていたエリックとしては手を貸そうと自ら言うかも。
ポールと互角に戦ったエリックですから、ナタリーとしてはうってつけの人材というつもりで確保して手懐けておいたんじゃないかなあと。
- まあそんなこんなで、腹黒い感じのナタリーなんですが、たぶらかすつもりがあったのかなかったのかわからないけど(全くないわけはなかろうと思うけど)、エリックに接触しているうちに、誠実そうな純粋そうな一途そうな性格にやられてしまったのか、エリックに好意を持ったようです。
ナタリーからしたらエリックなんて馬鹿みたいに単純な人に見えるんでしょうけど、それを馬鹿にするわけでもなく、エリックをいたわり支えようとします。
4巻でエリックやミミに小さな嘘をつきますが、その時は、自分のものにしたいという気持ちもあったのかもしれません。
でも、ナタリーの差し出した手を取らずにミミを助けに走っていった、エリックの姿に、本当に惚れてしまったのかな。
ソランジュ様の定義で言うなら恋になりそうなものが、結果としては愛情になったんでしょう。
そう、ナタリーは腹黒そうで計算高い策略家の怖い女ですけど、情が深い女なのだと思います。
言った私が覆すのは何ですが腹黒そうってのも、ちょっと違うのかも。策略家には違いないですけど、人を陥れるのが好きだとか意地悪だとかそういうことではないし。
自分自身の保身、ないし自分にとって大切なものを保護するために、自分に出来ること=策略を容赦なく駆使しているというだけなのかも。
実際、やがて18歳になってスダン地方の領主になっても、別に派手好きになったり偉そうになったりせずに、静かに慎ましやかに暮らすでしょう、きっと。
- ほとんど4巻の解説になっちゃいますねこれじゃ。
でも、7巻で再登場したナタリーの気持ちも立場も一貫して”エリックのため”ですから、解説しようがなくて。
ナタリーにとっては、エリックは余程純粋できれいなものに映ってるらしいなということくらいしか言いようがない。
だから、ナタリーはエリックのことを大切にして、損ないたくない、そのままでいて欲しいと思うのでしょうね。
それで、ミミを挑発し、危機感を煽って、さらにはミミにエリックを追わせたと。
うーん完璧、素晴らしい、最高だよナタリー!と誉めちぎって終わりましょうか。